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2004ワールドリーグ
男子バレーボール大会 (第15回)

試合結果 | 大会概要 | チケット情報 | エントリーメンバー

 

全日本男子試合結果
 ワールドリーグ予選 Bグループ
7月11日(日) バルナ パレス・オブ・カルチャー・アンド・スポーツ
 

セット

1 2 3 4 5

合計

日本 0 22 19 19     60

ブルガリア

3 25 25 25    

75

■日本チームのスターティングメンバー(第1セット)

甲斐 篠田

柴田

盛重 川浦 宇佐美

リベロ/酒井

■戦評

 日本の先発6人は7月4日のフランス戦から通じ、3試合連続で同じだった。第1セットはシーソーゲームが終盤まで続いた。ブルガリアがサーブミスを連発したすきに付け込んだ。川浦と篠田の両センターのクイックや点取り屋甲斐のレフトからの強打で22―22。ここで甲斐の左からのスパイクがコート右へ外れた。
日本側はワンタッチを主張して審判に詰め寄ったが、認められなかった。やや気落ちした日本はセットポイントから、この試合のベストスコアラーになったニコロフのライト攻撃を許しセットを落とした。

 第2セットも宇佐美阿から盛重につなぐ時間差攻撃も決まり、17―17と拮抗した展開。日本はここから4本のブロックポイントを許し、最終的には19―25に終わった。相手はトスの乱れや細かいミスを見逃さなかった。

 第3セットは中盤でリードを許した。ニコロフの強打にブロックが対応し切れなかった。途中からセッターを宇佐美から前田に交代。ただし、追い上げきれずにマッチポイント。最後はニコロフのサービスエースでブルガリアが勝利をもぎ取った。日本は全般的にサーブミスの失点が多く、流れに乗れなかった。日本は0勝12敗で全日程を終了。ブルガリアは1次リーグB組で9勝3敗となり、セット率でフランスをかわし首位。イタリア、ブラジル、セルビア・モンテネグロとの決勝ラウンドに駒を進めた。狭い会場を立ち見客で満員に埋め尽くした地元のファンの熱狂も、ホームチームを後押しした。

植田監督「第1セットは比較的よいプレーも出ていたが、第2セット以降は前日と同じような展開になった。われわれに必要なのは、若い選手たちへのよりハードな練習。1年後、われわれはもっと良いチームにならなければならない。ブルガリアはとても強かった。日本はまだ、システムが流動的な状況。ブロックの練習が十分ではなかったのも事実だ。2日間、我々はここで多くのことを勉強させられた。ワールドリーグの収穫については技術面、精神面で多くの課題が見つかったこと。(課題のサーブレシーブについては)Vリーグと世界のサーブはやはり違う。日本の選手はまだ全般的に基礎ができていない部分がある。今後はしっかり練習時間を確保し、体で覚えてもらうことも必要だろう」

宇佐美選手「ワールドリーグを通じ、個人的にいい経験はできたと思う。(アテネ五輪世界最終予選の後で)プレーを続けるのは難しかったが、全日本の誇りを胸に頑張っていかなければならないと強く感じた」

7月10日(土) バルナ パレス・オブ・カルチャー・アンド・スポーツ
 

セット

1 2 3 4 5

合計

日本 0 22 17 19     58

ブルガリア

3 25 25 25    

75

■日本チームのスターティングメンバー(第1セット)

甲斐 篠田

柴田

盛重 川浦 宇佐美

リベロ/酒井

■戦評

 バルナの試合会場は6,400人と超満員。コートの後方は両サイドとも立ち見席で、ファンは立すいの余地がないほど埋め尽くしていた。観衆は日本のプレーのすべてに対し、耳をつんざくような口笛で日本にプレッシャーをかけた。

 日本はフルセットで惜敗した7月4日のフランス戦と同じ先発メンバーで臨んだ。第1セット、日本はワールドリーグの決勝ラウンド進出にはもう一つも負けられない状況にあったブルガリアの緊張に付け込む。サーブミスを繰り返した相手に対し篠田のAクイックや、柴田の時間差攻撃で一進一退の攻防に持ち込む。17―17までは粘ったが、ブルガリアのセッター対角ニコロフのライト攻撃を防げなかったのが響き22―25でこのセットを落とした。

 第2セットは身長202aの強サーバー、カジースキのサービスエースで幕を開けた。日本はカジースキに加え、身長2b台のニコロフ、コンスタンティノフの猛烈なジャンプサーブに次第にサーブレシーブが乱れ始める。5―5からは終始リードを許す展開。日本はセッターとアタッカーの息が合わないミスも幾つか出て17―25で落とした。

 第3セットはブルガリアのパワーが目立つ展開で19―25。日本はセット途中からセッターに前田を投入。相手のライト対策に枩田をワンポイントブロッカーに使う作戦を用いたが、試合の流れは変えられなかった。ブルガリアのセッター、N・イバノフのトスさばきも巧みだった。うまく両翼にトスを振られ、日本のブロッカーは敵の高いアタッカーと1対1の勝負を強いられる場面も多かった。

植田監督「ワールドリーグのここまですべての試合で課題となっている、サーブレシーブが良くなかった。第1セットは比較的よいプレーも出ていたと思う。第2セット以降はブルガリアのいいサーブに苦しめられた。ブルガリアの11番(ニコロフ)17番(コンスタンティノフ)6番(カジースキ)と強烈なサーブを打つ選手が3人いた。(コンビプレーがあまり出なかったのは)相手の強いサーブによるもの。(地元の記者にB組のフランス、ブルガリア、ポーランドの比較を質問され)ブルガリアが最強で特にサーブとブロックが強い。フランスは守りと戦術に長けたチーム。ポーランドは両国に比べ、やや下かも知れない」

宇佐美選手「第1セットはコンビプレーも出せた。ブロックも決まっていたので良かったと思うが、終盤が駄目だった。第2セットは最初にいきなりサービスエースを決められたこともあり、日本の良さを出せなくなっていた」

7月4日(日)/東京・代々木競技場
 

セット

1 2 3 4 5

合計

日本 2 27 19 16 29 11 102

ブルガリア

3 25 25 25 27 15

117

■日本チームのスターティングメンバー(第1セット)

甲斐 篠田

柴田

盛重 川浦 宇佐美

リベロ/酒井

■戦評

 日本はクイックと時間差を多用し、アウトサイドからの攻撃が多かった前日からガラッと戦術を変更した。サーブレシーブが改善したこともあるが、相手のブロックをかわしながら頭脳的な攻めで、第1セットを終始リードし奪った。第2、第3セットは、フランスが安定したプレーを続けたのに対し、日本はスパイクミスが要所で出た上、サーブレシーブが不安定になって連続して失った。

 しかし第4セットは、12−12から甲斐が連続してスパイクを決めて主導権を握り、17−15からは柴田が時間差攻撃とブロックで得点を重ね23−17と大きくリード。ここからフランスに5連続得点され、リズムを失いかけたが、27−27から柴田のスパイクと篠田のブロックで突き放した。

 最終セットは5−2とリードしながら、相手に5連続得点を許して主導権を手放し、9−9とした後もミスが出て、精神的に崩れないフランスに屈した。

 日本はブロックで15得点し、10点のフランスを上回るなど数字の上では互角以上だったが、要所でミスが出る弱さを露呈した。甲斐はスパイクで20得点、ブロックでもチーム最高の4得点と、中心選手としての役割を果たした。

植田監督「ブロック得点で相手を上回り、コンビネーション攻撃もまずまずよく決まったが、最後の最後に決めるべきところで決めきれなかった。宇佐美は試合の流れの読みと、相手ブロックを見極める眼力を持っているし、アジアでナンバーワンのセッターになる能力がある。より質の高いコンビネーションと、さらに安定したサーブレシーブをこれからの練習でしっかり身に着けたい」

宇佐美主将「サーブレシーブとコンビネーションはうまくいった部分もあるが、まだ強化しなければいけないところがある。第5セットでの作り方をチームとしてまだよく理解していないし、まだ勉強することは多い」

7月3日(土)/東京・代々木競技場
 

セット

1 2 3 4 5

合計

日本 0 13 23 20     56

フランス

3 25 25 25    

75

■日本チームのスターティングメンバー(第1セット)

甲斐 篠田

枩田

川浦 宇佐美 盛重

リベロ/酒井

■戦評

 日本は盛重と柴田が太もも、甲斐が腰、越川がひざとアウトサイドのスパイカーに故障が続出、試合前から苦戦を免れない状態だった。一方フランスは主力をほぼ全員本国で休養させ、二軍に近い選手で先発を組んだ。

 日本は第1セット、本来センターの篠田をセッター対角に入れる苦肉の策をとったものの、このフォーメーションが全く機能せず一方的に失った。 

  第2セットから、甲斐をセッター対角に回し、肉離れの再発の危険のある柴田を敢えて起用し盛重と二人でレフトを組む布陣に変更。このセットは中盤に甲斐の強打がよく決まり18−17とリードし、柴田と甲斐が連続してバックアタックを決めて22−19と優位に立ったが、ここからフランスに連続4得点され逆転を許した。

 第3セットは11−11までは競ったが、フランスのセンター、209aのモノレーを中心にするブロックに要所で攻撃をことごとく止められ、相手の強いサーブにも苦しんで20−14とされ、勝敗の行方は決まった。

 フランスは若手とはいえ、攻守にまとまったプレーを展開。失点の少ない手堅い戦いぶりだった。

植田監督「第2、3セットはわれわれの目指すコンビネーション攻撃が出せた。特に第2セットは終盤までリードして、いい展開だっただけに残念だ。しかしサーブレシーブがこれだけ崩されると、こういう結果になる」

甲斐選手「僕とか大輔(宇佐美)がチームを引っ張って行かなくてはいけない。もっともっと元気を出して、あしたは勝てるよう頑張りたい」

6月27日(日)/所沢市民体育館
 

セット

1 2 3 4 5

合計

日本 2 15 18 25 25 10 93

ブルガリア

3 25 25 21 22 15

108

■日本チームのスターティングメンバー(第1セット)

盛重 篠田

越川

甲斐 枩田 宇佐美

リベロ/津曲

■戦評

日本は第1セットからセッターに宇佐美を起用。ブルガリアに2セット先取されたあと2セット奪い返してフルセットに持ち込んだが惜しくも敗れ、これで開幕以来8連敗となった。

第1セットは日本が力を出し切れず、ニコロフ、コンスタンティノフのパワーと高さのあるスパイクに押され15−25。

第2セットから起用されたセンター川浦が要所で速攻を決めるが、流れを変えるには至らずブルガリアが2セット連取した。

あとのない日本は第3セット、甲斐、越川のスパイクが決まり8−5とリード。その後は一進一退を繰り返しながらも甲斐が前後からのスパイクをよく決めてリードを守り、そのまま25−21で逃げ切った。

第4セットは11−8とブルガリアが先行するが、越川のサーブをきっかけに流れが変わり、14−11と一気に逆転。その後も川浦の速攻、甲斐のスパイクなどで着実に得点を重ね25−22。フルセットに持ち込んだ。

最終セットはブルガリアのペースでゲームが進み、8−4とブルガリアのリードでコートチェンジ。後半、日本は越川、甲斐のスパイク、篠田のブロッなどで反撃するが及ばず、待望の初白星を上げることはできなかった。

6月26日(土)/所沢市民体育館
 

セット

1 2 3 4 5

合計

日本 1 27 21 25 23   96

ブルガリア

3 29 25 23 25  

102

■日本チームのスターティングメンバー(第1セット)

盛重 篠田

越川

甲斐 枩田 前田

リベロ/津曲

■戦評

第1セット、日本は盛重のジャンプサーブでリズムをつかみ8−5とリードするが、その後連続ミスが出てブルガリアに逆転を許し、中盤をまったくまとめられず14−16で2回目のテクニカルタイムアウト。日本はここでセッター前田に代えて宇佐美を投入、後半は接戦となり24−24。日本は高いブルガリアのブロックを相手に、甲斐を中心によく頑張ったが、要所でブルガリアのブロックが炸裂し27−29と競り負けた。

 第2セットも序盤は8−6と日本が先行するがミスで追いつかれ、最後は21−25と逆転された。

 第3セットは甲斐が意地を見せ、終盤日本が優位に立って場内を沸かせる。23−23からブルガリアがミスを出し、日本が25−23と一矢を報いた。

 第4セット、中盤までシーソーゲームを演じるが11−11から日本のミスでブルガリアが抜け出す。日本は甲斐が気を吐きよく食い下がったが、最後はバックアタックをブロックされ惜敗した。

 ブルガリアはサーブが強い上イバノフ、ツベタノフのセンターラインが高く、日本本来の攻撃展開を許さなかった。

6月19日(土)/カトビツェ・スポデック(ポーランド)
 

セット

1 2 3 4 5

合計

日本 0 13 28 21     62

ポーランド

3 25 30 25    

80

■日本チームのスターティングメンバー(第1セット)

柴田 篠田

越川

谷村 枩田 阿部

リベロ/酒井

■戦評

18日は午後7時、19日は午後1時すぎと日本は24時間以内に2試合をこなす変則日程。会場はこの日も満員に近い9,130人が詰め掛けるなど、バレーボール人気は高い。応援にラッパを使うファンが多いため、場内は日本の2倍以上の騒音があった。

 日本はサーブレシーブを崩された対策などから、セッター対角に調子を上げている柴田を入れ、代わりに谷村を越川の対角に入れる布陣で臨んだ。ポーランドの豪腕サーバー、ダツェビッチとガブリフに対抗しようとしたが、結果はストレート負けだった。

 第1セットは序盤のうちに逆転を許す苦しい展開。越川、途中から入った盛重のアタッカー二人の出来がいまひとつ。遠征中にややサーブレシーブの調子を落とした谷村もサービスエースを連続で許すなど、チーム全体が精彩を欠いた。

 第2セットはポーランドが油断もあってかサーブミスを連発。日本はすきを突いて追い上げた。川浦と篠田の両センターの速攻などで一時は25―24と逆転。それでもセッターのザグムニ、エースのムーレックを外したポーランドには余裕が感じられた。最後はシュビエルスキが続けて左から強打を決め、逆転した。

 第3セットは川浦とセッター前田をスタートから先発で投入。中盤まで12−11と粘ったが、この日好調だったエース、ガブリフが強打を続けざまに決めた。セット終盤の日本はサーブミスが続いたのも痛かった。ポーランドは日本の弱点を突く抜け目のなさがありスパイク、サーブで狙い打ちをしてきた。

■コメント

植田監督「セットを奪うチャンスはあったが…。このチームはまだ経験不足。フランスとポーランドでは若い選手を中心に戦った。彼らには日本での2試合を含め、チャンスを与えた。しかし、残念ながらうまくいかなかった。今後日本での試合(ブルガリア、フランス戦)には宇佐美や甲斐といった代表の中軸選手たちが合流する。今回、代表経験のあったセッターは阿部だけだった。しっかり練習し、勝てるように頑張らなければいけない」。

阿部選手「サーブレシ−ブを崩されると日本は苦しい。あまりコンビを出し切れなかった。攻撃面ではもっとサーブで崩していく必要がある。強く打って相手の守りを崩し、ブロックの的を絞る必要がある。ネット際で1対1になったら苦しい。フランス戦でサーブミスによる失点が多かったのでそうなったのかも知れない。ジャンプサーブを打てる人でも思い切り打ち切れていない。今のチームはオリンピック予選を戦ったチームとはまだ差がある。ファンの人たちにはこれから成長していくところを見てほしい」

6月18日(金)/カトビツェ・スポデック(ポーランド)
 

セット

1 2 3 4 5

合計

日本 0 27 19 20     66

ポーランド

3 29 25 25    

79

■日本チームのスターティングメンバー(第1セット)

谷村 篠田

越川

柴田 川浦 阿部

リベロ/酒井

■戦評

日本にとってはこれ以上ない敵地の環境だった。1万人収容の体育館がポーランド国旗の白と赤に染まった。会場はうるさいほどの低音ラッパのサウンド。重低音のBGM。そして日本のサーブをするたびに会場全体から耳をつんざくように響くブーイング代わりの口笛。国歌「ドンブロフスキのマズルカ」の大合唱。ただし、日本への親近感からか「君が代」演奏中に拍手が起きたことを付け加えたい。

 第1セットはシーソーゲームだった。アタッカー柴田が好調で、遠征初スタメンの川浦もブロックとクイックの両方で貢献した。ポーランドがサーブミスを連発したことで、24‐23、25‐24とセットポイントを握る。だが、もう一押しが足りない。相手のダツェビッチのダイレクトやグルーシュカのオープン攻撃の前に屈した。

 結果的にこのセットの攻防が結果を大きく左右した。サーブを改善し、ブロックが決まり始めたポーランドに、日本は完全に主導権を失った。第3セットは枩田と今井の両センターをスタートから起用したが、流れを変えられなかった。ポーランドのエース、ムーレックのジャンプサーブとスパイクにレシーブを崩された。

■コメント

植田監督「前のフランス戦と同じ負け方。19歳から22歳までの若手が中心でキャリア不足の面もあった。チームとして今後やるべきことが多く見つかった。課題はサーブレシーブとレシーブ。第1セットもこれで崩された。4年後の五輪に向け、今後はレシーブで徹底的に絞っていく必要がある。(熱狂的なポーランドのファンが)地元を応援するのは当たり前。日本にとって影響はなかったが、相手はそのせいでよいプレーができていたかも知れない」

柴田選手(右足太ももの軽い肉離れに悩まされながら、チームトップの12得点)「無心で打った。相手のブロックが高いので、上に向かい打つ感じだった。ブロックアウトをうまく拾うことはできた。最初は合わなかったコンビも遠征中にだんだん合うようになってきた。(均衡していた)第1セットを落としたことでチーム全体が乗ることができなかった。ここという時のポイントを取ることができなかった」

6月12日(土) - パリ(ベルシー多目的総合体育館)
 

セット

1 2 3 4 5

合計

日本 0 19 18 18     55

フランス

3 25 25 25    

75

■日本チームのスターティングメンバー(第1セット)

柴田 谷村

今井

枩田 阿部 越川

リベロ/酒井

■戦評

日本はアテネ五輪出場国の強豪フランスに歯が立たず、2試合連続でストレート負け。2試合とも20点以上を奪うセットがなく、若手主体の日本は力の差を見せつけられた。試合内容は前日よりミスが目立っていた。

 日本は第1セットの立ち上がりは好調だった。主将の篠田に代わり、センターに起用された今井がいきなりブロック。谷村の強打や越川のバックアタックも効果的に成功して15―13とリード。ここからは越川と柴田にスパイクミスが続き、相手に4連続ポイントを許した。これで流れを失い19―25。セット終盤はサーブレシーブの不調から単調になった阿部のトスワークも相手に読まれ、度々ブロックポイントを許した。

 第2セットはフランスが主導権を握る展開が続き4―0。日本は柴田や谷村のレフトからの強打、枩田のブロックなどで散発的に得点を重ねるが、何度か連続失点が続いたのが痛い。セット途中でセッターを阿部から前田に交代。JTのサウスポーはジャンプサーブからのサービスエースやツーアタックと持ち味をアピールしたが、追い上げはかなわず18―25。

 第3セットはフランスの高いブロックが日本に立ちはだかった。モンメ、サミカなどアテネ五輪の代表メンバー入りに必死の選手たちが、何度も日本の攻めを読み切った。日本は相手エースのアンティガにも手こずった。全力でスパイクを打ち切ることはほとんどないが、ブロックの穴をよく見て空いたコースを狙い打つ技術にしてやられた。18―25で試合終了。

■コメント

植田監督「チームの課題はメンタル面にある。こういうアウエーの雰囲気の中でプレーするのは初めての選手もいる。こういう状況の中で何かをつかんでもらうことが重要だと考えている。日本は守りで上回らなければフランスに勝つことはできない。時間差攻撃などの攻めが少なかったのはセンター線で篠田が入るか今井が入るかの違いもある。篠田は速いクイックに入り、時間差攻撃に入れるのが特徴。持ち味の違う今井に同じことをさせるとプレーが遅くなることもある。今後は何か特徴のある選手を育てていく必要がある。セッターを途中で阿部から前田に代えたのは、彼のトスが2、3日前からよくなっており、十分に阿部の代わりができると判断した」

篠田選手「試合の最初はきのうと同じ(気持ちが全面に出てこない)ムードだった。ゲームの終盤になって、柴田あたりから頑張ってやろうという感じになってきた。これをいい経験にしなければいけない。日本とフランスの差はレシーブ力とここ一番でミスが出るかどうかの違い」

6月11日(金) - パリ(ベルシー多目的総合体育館)
 

セット

1 2 3 4 5

合計

日本 0

19

19 16     54

フランス

3 25 25 25    

75

■日本チームのスターティングメンバー(第1セット)

谷村 篠田

越川

柴田 枩田 阿部

リベロ/酒井

■戦評

若手主体で臨んだ日本はアテネ五輪に出場する格上のフランスにストレート負け。ワールドリーグは3連敗スタートとなった。日本は先発6人の平均年齢21.5歳。2日前に現地入りしたハンディと敵地での経験不足も祟り、力を出し切れなかった。

 日本はサーブレシーブの正確さとブロックの強さがもうひとつ。第1セットはセンター枩田のクイックがさえ8―7、第2セットも相手のミスと谷村の強打などで8―5と好スタートを切ったがあとが続かない。特にセンターをダミーで飛ばした後のカスタール、ダカンの強烈なバックアタックに悩まされた。

 第1、2セットは中盤で逆転を許した。第3セットも相手のエース、アンティガの硬軟織り交ぜた多彩なスパイクを止められず流れをつかめずに落とした。

 フランスはアテネ五輪を前に、東京での世界最終予選のメンバー6人を休ませ、新しい選手を試した。レシーブにはやや難があり、身長201aのセンター枩田のブロックと、攻撃の際のおとりの動き、越川の猛烈なジャンプサーブは効果があった。

■コメント

植田監督「こういう国際大会に臨むのが初めての選手もいた。経験というか、ムードに飲まれた選手もいたようだ。経験の差が出た。彼らが将来的にもこういうゲームをこなしていくことも求められている。自分たちより低いレベルのチームなら淡々とプレーしても何とかなるかも知れないが、同等レベル以上のチームが相手ではもっと気持ちを奮い立たせる必要がある。今は一つひとつが彼らの経験になっている。時差の問題はあるのかも知れないが、間違えてもいいから今はいろいろな面でチャレンジする必要がある。(故障持ちの)盛重を使ったのは今日の昼の練習を見て、ピンチサーバーならいけると判断したから 」

篠田選手「攻められている時に、全体的に気持ちが守りに入ってしまっていた。コートの中でプレーしていて、まだまだ声が出ていないと感じた。まだどうしても気持ちで受けてしまう部分がある。このチームに力はある。もっと声を張り上げてプレーをしていく必要がある。(相手のバックアタックにブロックがあまり対処できなかったのは)フランスはクイックがとても速くて強いチームだったからそちらの方を注意していた部分がある」

6月6日(日) - 日本(長野県松本市総合体育館)
 

セット

1 2 3 4 5

合計

日本 2

21

30 32 25 7 115

ポーランド

3 25 28 34 23 15

125

■日本チームのスターティングメンバー(第1セット)

谷村 篠田

越川

柴田 枩田 阿部

リベロ/酒井

■戦評

 日本は前日と同じスターティングメンバーで臨んだが、第1セット11−7とリードされて、植田監督はセッターを阿部から宇佐美に代え、最後まで宇佐美で通した。第2セット開始から柴田をベンチに下げ、レフト対角を谷村と越川で組み、セッター対角に山本を入れる布陣に変更、このベンチの采配があと一歩で世界ランク9位の強豪を倒す善戦を導いた。

 日本は第1セット、常に後手に回り25−21で落とした。第2セットは19―11の大量リードを終盤の相手の猛反撃で失い、24−22を24−24に追いつかれ、7度目のセットポイントをなんとかものにして30−28で奪った。

 第3セットもスリリングな展開になり、ポーランドが24−21とセットポイントを迎えたが、日本は山本の連続スパイク得点などで25―24と逆転。しかし、計7度のセットポイントをことごとく逃し、ポーランドが34−32で抑えた。
第4セットは、ポーランドのサーブミスとサービスレシーブの乱れに乗じて、日本が12−5と飛び出し、25−23で取り、勝負は最終セットに。

 日本は4−3とリードしたが、ここから一気に7連続失点。勝負どころの緊張する場面でポーランドが集中力を高め、強いサーブを次々と入れたのに対し、若い日本はこれに立ち向かう闘志がやや足りなかった。

■コメント

植田監督「ポーランドはサーブのミスが多かったが、ここというときは入れてくる。完成期に入っているチームと若いわれわれとの差が出た。しかし集中してプレーすれば、互角、もしくはそれ以上に戦えることが分かった試合だった」

篠田選手「自分の仕事であるサイドアウトは取れてよかった。しかしセンターとしてブロックがまったく出なかったので、そこをさらに磨かないといけない。またこの2日間で自分の攻撃が速くないと決まらないことがはっきりしたし、バリエーションをもっと増やすよう練習する」

6月5日(土) - 日本(長野県松本市総合体育館)
 

セット

1 2 3 4 5

合計

日本 1

25

27 16 22   90

ポーランド

3 22 29 25 25  

101

■日本チームのスターティングメンバー(第1セット)

谷村 篠田

柴田

越川 枩田 阿部

リベロ/酒井

■戦評

全日本はアテネ五輪最終予選で出場権獲得を逃し、田中監督の辞任にともなって植田暫定監督が誕生、その初戦となった。全日本ジュニアの監督を兼務する植田監督は、五輪最終予選の登録メンバーから一気に8人を入れ替え、各セットの先発はセッター阿部以外いずれも五輪最終予選のメンバーにすら入らなかった若手、昨年のユニバーシアード銀メダルの選手主体で臨んだ。

第1セット、日本は中盤に越川が威力のあるジャンプサーブを連続して決め同点に追いつき、終盤の競り合いでも谷村のサービスエースで一歩抜けだし、阿部がハイボールをうまく押し込んでセットポイントを迎えると、そのまま押し切った。

第2セットは日本が先に24−23とセットポイントを迎えたが、あと一本のスパイク、ブロックを決めきれず、27−27から連続失点した。

第3セットは12−12まで競り合ったが、それまで入っていた思い切りのいいサーブにミスが続いてリズムを失い、サーブレシーブも乱れて主導権を完全に相手に渡し、終盤は一方的な展開で失った。

第4セットはこの日レフトに入った柴田が中盤の競り合いで強打を連発、20−19とリードする場面があったが、ポーランドは2週間前に五輪出場権を得た自信と、世界ランク9位の地力を示し逆転に成功した。

■コメント

植田監督「サーブレシーブさえ返れば、このチームはいいバレーができる。勝てるチャンスがあったので、きょうは残念。サーブのミスが多かったのと、サーブレシーブが短くなってしまったのが、今後の課題」

越川選手「久しぶりの試合で、すべてのプレーに不安や迷いがあった。その迷いのせいで、プレーが後手になったというか受け身になった。自分らしさを出せなかった。チームとしてはあと一本取れば、という場面でそれが取れず、スパイクミスとサーブミスが多かった」


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