第40回ビーチバレージャパン 基本の積み重ねと海外経験を結実させた水町/黒澤組が初優勝

ビーチバレージャパンJVA第40回全日本ビーチバレーボール選手権大会 男子の決勝戦は、今季のジャパンツアーで圧倒的な実績を誇る水町泰杜(トヨタ自動車株式会社/ウルフドッグス名古屋)/黒澤孝太(トヨタ自動車株式会社)組が、黒川魁(NTTドコモソリューションズ株式会社)/安達龍一(トヨタ自動車株式会社)組をストレートで下し、見事に昨年の雪辱を果たして頂点に立ちました。
今季ペアで出場したジャパンツアー全3戦(第1戦名古屋大会、第2戦GSグランフロント大阪大会、第5戦GS横浜赤レンガ倉庫大会)で優勝と、圧倒的な強さを示してきた水町/黒澤組。昨年の同大会決勝で敗れた悔しさを胸に挑んだ一戦では、水町のパワフルなスパイクと黒澤の強力なモンスターブロックが要所で冴えわたり、第1セットを21-17で先取しました。
第2セットに入っても水町/黒澤組の勢いは止まりません。水町の鮮やかなツーアタックや黒澤のフェイクセットなど躍動感あふれるプレーで終始主導権を握り続けます。海外遠征を重ねて手数を増やしてきたという黒澤は「高いブロック相手にどう対応していくのか、自分が狙われているときにどうするのかなどを実戦で学んだことで、少しぐらい乱れても焦ることなくプレーできるようになりました」と語る通り、プレッシャーのかかる場面でも冷静さを失わない試合運びに成長のあとがうかがえました。
また、連戦を勝ち抜くタフネスと揺るぎない実力を見せた水町は、「特別なことではなく基本の積み重ねでベースが上がってきています。すべての試合が100%の出来ではなかったのですが、70~80%の出来でも結果を残せるぐらいの力はつけてきているのかなと思います」と手応えを口にしつつ、「ジャパンツアーと違い、このビーチバレージャパンは優勝するまで6連戦しなければならず、その間に高校生や大学生とも戦います。そうした若い選手から学ぶことがたくさんありましたし、また僕たちが彼らにとっての刺激にもなれたのかなと思っています。そうしてビーチバレー全体が盛り上がればと思っています」とビーチバレー界にも思いを馳せていました。
さらに「10年前の熊本地震では現地で被災しました。今回地震が起きたときは海外にいましたが、自分のバレーボールで元気を届けたいというマインドでプレーしています」とプレーに込めた情熱を明かしてくれました。結局、最後まで主導権を握り続けた水町/黒澤組が第2セットも21-17で連取し、完璧な戴冠を果たしました。
一方、敗れはしたものの黒川/安達組も、安達の鋭いサービスエースや力強いブロック、黒川の優れた機動力を生かしたディグからのアタックで観客を沸かせました。ただ、「やりたいことはできていましたが、相手の移動攻撃への対応やブロックでのプレッシャーが不足していました」(安達)というように、相手のほうが一枚上手でした。
それでも昨年の3位から今年は準優勝と順位を上げた安達。「パスをもう少し安定させれば、いい結果につながると思います。来年は優勝を目指します」と前を向いていました。また、パートナーの黒川も「大会を通して調子はよかったのですが、決勝では終始相手ペースになってしまいました。もう少しサーブで崩せば違う展開になったかもしれません」と悔しさをにじませつつも、手応えと課題を収穫として挙げてくれました。
3位決定戦は、今年のジャパンツアー第3戦都城大会霧島酒造オープンで優勝を果たし波に乗るマルキナシム(トヨタ自動車株式会社)/詫間悠(中部土木株式会社)組と、福嶋晃介(NTTドコモソリューションズ株式会社)/関寛之(MAGS)組による対戦となりました。
試合は、マルキ/詫間組が第1セットを先取すると、続く第2セットも奪いストレート勝ち。「ビーチバレージャパン3回目でこれまで5位が2回だったので、順位を上げて3位になれたのはよかったです」(マルキ)、「準決勝で負けたのは悔しいですが、気持ちを切り替えて3位決定戦で勝てたことはよかったと思います。準決勝から3位決定戦まであまり休む時間がなく体力的に厳しい面もありましたが、観客の皆さんから大きな声援を受けたことで最後まで走り続けることができました」(詫間)と語るように、チームとして集中力を立て直して挑んだことで勝利を手にしました。
そして戦術的な勝因となったのは、ペアを結成して1年未満とは思えない完成度の高さと状況に応じた高い対応力です。マルキが強力なスパイクを叩き込むだけでなく、ワンタッチやブロックアウトなど豊富な得点バリエーションを披露すれば、詫間は冷静な立ち回りでゲームをコントロール。この戦術的柔軟性について、詫間は「ペアの特徴は、状況に応じて硬軟併せ持つプレーができること。相手としてはやりにくいと思います」、マルキは「ディフェンスからの攻撃やサイドアウトのバリエーションがだいぶ形になってきたのが強みだと思います」と手応えを口にしていました。