第37回ビーチバレージャパンレディース 松本姉妹が連覇達成 溝江は若手有望株・宇都木とのペアで12年ぶりの決勝進出

瓦葺きと白壁造で3000人が収容できる国内唯一のビーチバレーボール競技場、せんなん里海公園ビーチバレー競技場で行われたビーチバレージャパンレディース JVA第37回全日本ビーチバレーボール選手権 女子。決勝戦は松本恋/松本穏(ともに株式会社ジェイアール東海髙島屋)組と、溝江明香(トヨタ自動車株式会社)/宇都木乃愛(産業能率大学)組との対戦となりました。
このうち松本姉妹は、昨年に続く連覇&2023年大会を含む3度目の優勝を狙っていました。一方の溝江/宇都木組は、溝江にとっては12年ぶりの決勝進出で、もし勝利すれば2011年から2014年にかけて4連覇して以来の栄冠獲得となります。そして宇都木にとっても、ジャパンレディースで初めて大学生が優勝するという記録がかかっていました(大学生の準優勝は2023年に伊藤桜/野口彩陽[当時の所属は産業能率大学]がマークしています)。
試合は、機動性と連携の精度で戦う松本姉妹に対し、溝江/宇都木組も個々の強みを生かして食い下がり、両組の「勝ちたい」という気持ちがぶつかり合う見ごたえのある一戦となりました。そんななか、第1セットを21-18で先取したのは松本姉妹です。精度の高いパスとトスを軸に、前後どちらからアタックが繰り出されるかわからない機動力を加え、攻守が一体となった流れるような展開を構築していました。
第2セット、溝江/宇都木組も健闘を見せました。溝江が打点の高い強力なハードヒットをベースとしつつドロップやディープを巧みに織り交ぜて相手に的を絞らせないプレーを見せれば、宇都木も威力ある攻撃に加え、ブロックアウトを狙う器用さや、点差が離れてもジャンプサーブで攻め込む積極性を発揮。さらに宇都木は守備面でも相手のポジショニングや動向を冷静に観察してナイスディグを披露する場面が何度もありました。
それでも、この第2セットを21-17で奪ったのは松本姉妹。難易度の高いプレーに挑戦するなかでミスが出る場面もありましたが、要所でツーアタックを織り交ぜて相手の意表を突くなど最後まで試合の主導権を渡しませんでした。
【優勝ペアコメント】
(松本恋)「連覇、そして3度目の優勝ができたのは嬉しいです。現在進行形でいろいろなことに取り組んでいるので、やれている部分、やれていない部分はありますが、そこでちゃんと勝ち切ることができたのがよかったと思います。」
(松本穏)「1日1試合のジャパンツアーと違い、暑い8月に1日2試合が3日間続くスタイルのビーチバレージャパンレディースはきつい部分もありますが、私たちはそうした過酷な環境との相性がよく、これまでも勝率がいい結果を残せています。このビーチバレージャパンレディースには嫌な思いがないことが優勝につながったとも思っています。」
【準優勝ペアコメント】
(溝江)「疲れているなかでも1日目より2日目、2日目より3日目とパフォーマンスを上げて、チームとしてしっかり戦えたすごく収穫の多い大会でした。乃愛(宇都木)は『こうしたらいいんじゃない?』と話すと、すぐにできる子なので一緒にやっていてとても楽しかったです。私は以前優勝したときから結婚・出産を経て体力やパフォーマンスが落ちていますが、サーブを工夫したりアタックのタイミングや立ち位置を少し変えたりと戦術的な部分がうまくいきました。また、ビーチバレーを人生の一部として捉えることができるようになり、勝敗だけにこだわることなく視野が広くなったと思います。これからどこまでできるかは未知ですが、新たな自分がどれぐらいチャレンジできるか楽しくてワクワクしています。」
(宇都木)「19歳のうちに大きな大会で結果を残したいと思っていたので、準優勝できて嬉しいですし、いい経験になりました。試合の展開が変わるたび、明香(溝江)さんにどう動けばいいのかを聞いていたのですが、アドバイスが的確でそれが結果につながりました。特にディフェンスでは自分の脚力を生かしきれないことが課題でしたが、しっかり止まってから動くというアドバイスで、自分でも分かるほどボールを拾えるようになりました。本当に明香さんリスペクトです。」
3位決定戦は、酒井春海(フリー)/坪内紫苑(ANAエアポートサービス株式会社)組×秋重若菜(トヨタ自動車株式会社)/沢目繭(ミライラボバイオサイエンス株式会社)というカードに。第1セットは、秋重の相手陣形を崩すサーブ、沢目の強打などで完全に主導権を握った秋重/沢目組が21-9で先取しましたが、第2セットになると、酒井の連続サービスエース、坪内のハードヒットとショットを的確に織り交ぜたアタックで粘り強くポイントを積み重ねた酒井/坪内組が21-19で奪い返しました。
そして迎えた勝敗を決める15点マッチの最終セット。4-4まではどちらが流れを掴むか分かりませんでしたが、ロングラリーを制したことでリズムを掴んだのは秋重/沢目組。9-5と引き離すと、その後も秋重のナイスディグ、沢目の巧みなブロックアウトなどで得点を重ね15-12で勝利。秋重にとっては昨年に続き2年連続の3位で、これまでジャパンビーチバレーボールツアーでは優勝を含め何度も上位進出している沢目にとっては意外にも初の3位入賞となりました。
【3位ペアコメント】
(沢目)「これまで4位の壁を突破できなかったのでうれしいです。先週韓国で試合をして、そこで合わせられたのがよかったと思います。若(秋重)が元気で運動量が多いのと、二人ともハードヒットを打てるのが武器だと思います。」
(秋重)「準決勝で負けたのはめっちゃ悔しかったのですが、3位決定戦では繭(沢目)さんと勝ち切れてよかったです。いろんな人と組む機会が多く、うまい人のプレーを吸収して自分のレベルも上がってきている実感があります。それが楽しいですし、うれしいことでもあります。」