ビーチバレーボール

男子は初のプール戦突破 大会を盛り上げた大学チームの挑戦

男子は初のプール戦突破 大会を盛り上げた大学チームの挑戦

9月11日(金)~13日(日)、神奈川県平塚市湘南ベルマーレひらつかビーチパークで開催された「ジャパンツアー2026 第6戦 平塚大会 荒井商事杯」では、「アクティオ杯 ビーチバレージャパンカレッジ2026 JVA第38回全日本ビーチバレーボール大学選手権大会」(以下「大学選手権」)にて選ばれた推薦チームが「アクティオワイルドカード」チームとして出場しました。

この出場権利は、大学選手権の冠協賛社である株式会社アクティオ様より、大学生たちに「いち早くトップレベルを体感してもらい強化に取り組んでほしい」という想いから、ご支援をいただき導入されたものです。

今年は、鎮西学院大学の園田柊弥(2年)/立石大和(1年)組、日本体育大学の松﨑伊吹(3年)/山口心菜(2年)組が、日本最高峰のジャパンツアーに挑みました。

今大会は3チームによるプール戦総当たりで2位までが決勝トーナメントに上がれる試合方式。男子の園田/立石組は、プール戦1試合目でプロのトップチーム、髙橋巧(フリー)/池田隼平(株式会社カブト)組と対戦。試合序盤は対等にラリーを展開しますが、10―11のテクニカルタイム以降は、なかなか得点をさせてもらえません。「サーブや駆け引きを含め、すべてにおいてプロのすごさを実感した」(立石)。
少しずつミスも出始めた園田/立石組はこの試合、0(14―21、18―21)2で敗れ、翌12日の渡辺周馬(東京グレードベアーズ/株式会社Growith)/清水啓輔(フリー)組と試合に挑みました。

前日の試合で敗れはしたものの、「プロに対しても高さで張り合えたところはあった」と収穫を手にしていた園田選手が、ブロックで存在感を発揮。その背後で立石が砂上を這い、随所でボールを拾い上げていきます。終盤大事なところでラリーを制した園田/立石組は22―20で第1セットを先取。第2セットも優勢に進めていましたが、相手のインジュリータイムアウト(選手の治療に充てる5分間のタイムアウト)で試合の流れが変わり、逆転を許すと18―21と奪い返されました。

「2セット目は守りに入ってしまったので、3セット目は気にせずに思い切り(腕を)振っていこうと話していた」と立石選手。そう振り返ったように第3セットでは1セット目に発揮した攻撃力に加え、緩急を織り交ぜながら攻撃に変化も加えていきます。さらに立石選手のサーブポイントで流れを引き寄せ10―7と先行し、15―10とこの試合を制しました。

これにより、園田/立石組の決勝トーナメント進出が決定。過去、「アクティオワイルドカード」が導入されたプール戦方式において男子チームがプール戦を突破したのは初めてのことです。

準々決勝の相手は福嶋晃介(NTTドコモソリューションズ株式会社)/勝岡将斗(フリー)組。立石選手は「高校2年の頃から2人とも動画のコンテンツで映像を見てきた」という憧れの選手との対戦となりました。そんな格上のチームに対し、園田/立石組はフェイクセットを使った攻撃、テンポの速い平行攻撃など幅広い攻撃で対抗。さらには園田選手の強烈なジャンプサーブが効果的に相手コートに刺さり、会場全体を盛り上げます。

随所に園田/立石組の武器がさく裂しますが、「長いコースの強打をずっと決められ、レシーブで的を絞れなかったのが一番悔しい。そこを改善できていたらもう1点、2点は取れたと思う」と立石選手が振り返るように、セット終盤でブレイクできずに第1セットを18―21で奪われると第2セットも19―21とあと一歩のところで敗退となりました。

5位タイに終わった園田/立石組ですが、悔しさを味わいながらも大きな収穫を手にしました。「自分たちの攻撃が決まってサイドアウトをとれたのは、プロ相手でも通用すると思った。プロの大会でレベルの高さを感じたと同時にここでストレート勝ちする強さを身につけないと世界で通用しないと思った」と園田選手。

高校、大学と頂点に立ち、そしてジャパンツアーの舞台に立った2人は、次に目指すものが明確になり、大学選手権連覇はもちろん、さらなる上のステージへ向かって前進していくことでしょう。

女子は、松﨑伊吹(3年)/山口心菜(2年)組が出場。プール戦1試合目には、辻村りこ(ANAエアポートサービス株式会社)/菊地真結(トーヨーメタル株式会社)組と対戦しました。
大学選手権後、ジャパンツアーに向けて課題の克服に向けて取り組んできた松﨑/山口組。しかしながら、「大学生にはスパイクサーブを打つ選手がいない。そこまで詰め切れなかった」と松﨑選手が振り返るように、辻村選手の強烈なジャンプサーブに苦しめられ、サーブ権を奪うことができませんでした。

この試合、0(14―21,9―21)2と敗れた松﨑/山口組は、翌12日の樫原美陽(一つ山ホールディングス株式会社)/石原泉(フリー)組との試合に望みをかけます。

第1セット、松﨑/山口組は16―14とリードを奪い、相手チームにタイムアウトをとらせる展開に持ち込みました。
「ツー攻撃を含め、攻めの気持ちでチャレンジしにいったプレーも多く、やり通せた」と松﨑選手。初戦では少し元気がなかった山口選手も「これまでだったらどうしても甘くなってしまう攻撃をこの試合では打つべきところで強い攻撃を仕掛けられた」と得点を決めると、持ち前の明るさでチームを盛り上げます。なんとか格上のチームに粘り強さを見せますが、終盤で逆転を許し第1セットは19―21と奪取されました。
第2セットもテクニカルタイムアウトまでは互角の展開を見せますが、そこからは思うように攻撃をさせてもらえず、この試合14―21と敗れました。

今大会、プール戦敗退となりましたが、1試合目の反省を2試合目に活かして大学生らしいハツラツとしたプレーを見せた松﨑/山口組。とくに日本最高峰ツアーと大学生の大会の規模感は、かけがえのない大きな経験になったようです。

「ジャパンツアーの一つ下のサテライト大会とも違って、観客も多いし試合の実況もあって緊張感と楽しさのバランスが存在していて選手としては楽しめる大会。プロの選手にチャレンジできる機会はないので、大学2年時の出場に続いて本当にいい経験になりました」(松﨑)

初めてアクティオワイルドカードでジャパンツアーに出場した山口選手は試合を振り返って、「プロチームはミスが少なかった。自分たちは逆にミスが多くてその分、差が開いてしまった。今後は自分たちのミスを減らすことを心がけて一生懸命、練習に取り組みたい」。

現在、松﨑選手は大学3年、山口選手は2年。来シーズンに向けてすでに戦いは始まっています。
「この冬、たくさん練習して大学選手権で活躍して推薦チームとしてアクティオワイルドカードの切符を獲り、もう一度ジャパンツアーでリベンジしたいです」(山口)

この経験が糧となり、今後大学生たちのさらなる成長が期待されます。これからビーチバレーボール界に羽ばたいていく有望選手たちにご注目ください。