日本代表

バレーボール男女日本代表とビーチバレーボール日本代表がシーズン総括の記者会見を実施

冒頭、南部正司技術委員会委員長より、選手の強化・育成、そしてコーチなどの養成に関する意思決定の最高機関として、昨年新たに設置された技術委員会としての今シーズンの取り組みと成果が伝えられました。南部委員長は今シーズンの各カテゴリーの成績の振り返ったうえで、技術委員会として見えてきた4つの課題について、「1つ目は長身選手の発掘。特にミドルブロッカーとセッターは長年の課題になっているので、JVAが主体となって長身者の育成をしていく仕組みを作っていかなければならない。2つ目は日本代表を支える環境。国内大会のシーズンが長くなったことで、選手のコンディションをいかにいい状態で保っていくかが課題になっている。3つ目は日本代表のスタッフの多くが兼任となっているため、専任スタッフが少なくなっているところも課題に挙がっている。この辺りも技術委員会が主導して改善していきたい。4つ目は情報とデータの活用。過去に蓄積された情報を手元に持っているので、しっかり活用して現場に落としていくのが技術委員会の役割だと思っている。そのため、選手のコンディション、メディカル、体力測定、試合のデータといった情報をしっかりと結び付けて一元管理すること、映像やテクニカルレポートを分析し、日本と世界の競技力の動向を掴んで分析していくことなどを目的とした『バレーボールインテリジェンスハブ』という機関を新たに設けて、現場を支援していく」と話しました。

フェルハト・アクバシュ監督より、女子日本代表チームのシーズン総括が話されました。アクバシュ監督は、「バレーボールネーションズリーグ(VNL)ではファイナルラウンドに進出することができたが、アジア選手権では、私たちが掲げた主要な目的を達成することができなかった。私たちにとってがっかりする結果だったが、同時に何を改善すべきかが明確になった大会でもあった。今シーズン全体を振り返ると、チームについて大切な情報を収集することができたシーズンだった。個人としても、チームとしても、何を強化すべきかが分かった。私たちが向かう方向は明らかで、ロサンゼルス2028オリンピックに向けて、着実にこのチームを育成させ続けていくことだ」と今シーズンを総括しました。

明確になった改善点や強化すべき点については、「改善点について、1つ目はメンタルアプローチにフォーカスする必要があると思う。大きなプレッシャーのかかる大事な試合や大会では精神的なプレッシャーがかかってくるので、それに対応するだけの精神力をつけることが必要になってくる。選手同士はもちろん、スタッフたちと話す機会も設けていきたい。2つ目は、スタッフを含めた全員が全ての面においてより良くならなければならない。個人のスキルは、これといったひとつを取るのではなく、データを見直した際に全てのスキルに関してまだ改善ができると考えている。アジア選手権においては、切り返しからのアタックが課題として多く見えた。特にタイとの試合は、相手の非常に速いコンビネーションに対応することが遅れてしまった。速いコンビネーションや攻撃に対して解決策を講じることができなかったことも課題としてあげられる」と話しました。

ロラン・ティリ監督は冒頭、「この夏の男子日本代表チームの成績は大いに誇れるものだ」と話したうえで、その理由を4つ挙げ「まず1つ目は、2年前から目標として掲げてきた、アジア選手権での優勝だ。これは私たちの未来にとって、最初の大きなチャンスだった。この優勝によって、2年前倒しでロサンゼルス2028オリンピックへの出場権を直接獲得することができた。オリンピック出場が早期に決まったことで、より落ち着いてオリンピックに向けた準備を進められることになる。2つ目に、この金メダル獲得は、VNLの歴史的な戦いがあったからこそ実現できた。VNLでの13連勝という記録は、私たちに自信を与えるとともに、自分たちの強みと弱みをより深く理解する機会になった。また、アメリカとスロベニアに敗れた2試合も、チームが改めて自分たちのやるべきことに立ち返り、目標であるオリンピックの出場権獲得に改めて再集中するための貴重な機会にもなった。3つ目は、オリンピック出場権を獲得したわずか2週間後に開幕するアジア競技大会に向けて、非常に充実したBチームの試合と練習のプログラムを実施できたことだ。出場機会が不足していた若手選手を中心に、3、4人のリーダー的な役割を担う選手がチームを支える体制を整えた。その結果、チームは準決勝で中国にフルセットの末勝利し、決勝でイランに敗れたものの、見事な銀メダルを獲得した。4つ目は、この夏を通してAチームとBチームの間で選手の入れ替えを行ったことだ。練習や試合をサポートするため、あるいはチーム編成を調整するために、選手たちが行き来をした。これは本当に大きな成功だった。チームとして高いパフォーマンスを発揮できただけでなく、若い選手たちに経験を積ませ、責任ある役割を担う機会を与えることもできた」と話しました。

また、これからの2年間について、「ロサンゼルス2028オリンピックでメダルを獲得するためには、準決勝や決勝の舞台に立ち、大事な勝敗のかかった試合で生じる緊張やプレッシャーを再び経験しなければならない。そして、アメリカ、ロシア、イタリア、ポーランド、ブルガリア、キューバなどの強豪国に勝つことを学ぶ必要がある。そのためには、できるだけ早く、そして同じメンバーを中心に、一丸となって取り組むことが重要だ。各選手の所属チームでの成長やコンディション、パフォーマンスの変化に応じて、チーム編成を調整することもあるだろう。2027年のVNLとワールドカップでも、メダル獲得を目指すという高い目標を持ち続けなければならない」と語りました。

スティーブ・アンダーソン監督は、ビーチバレーボール日本代表について、「今シーズンは4つの目標を掲げた。その1つ目がアジアビーチゲームズだ。アジアビーチゲームズでは松本恋/松本穏組が銀メダルを獲得し、この銀メダルの獲得は、アジアビーチゲームズで日本人初のメダルとなった。2つ目の目標は、ロサンゼルス2028オリンピックの出場権をアジア選手権で獲得すること。残念ながら金メダルに到達できなかったが、柴麻美/村上礼華組が銅メダルを獲得し、メダル獲得という3つ目の目標は達成した。最後の目標は、アジア競技大会でのメダル獲得だった。水町泰杜/黒澤孝太組が銅メダルを獲得し、この目標も達成することができた。その結果4つ掲げた目標のうち、3つを達成することができた」と今シーズンを振り返りました。

また、今後の課題として、「日本代表チームにはより多くのハイレベルな国際大会の競技経験が必要なのは明確だ。2027年はそういった経験を多く積む、特に大型のブロッカーを要するチームと対戦することを目標にあげている。試合だけでなく、普段の練習からデータの活用するために、スポーツサイエンスを取り入れていくことが必要だと考えている。最後の課題は、日本人の特性をいかしたプレースタイルを確立することだ。日本人選手の身体的特徴を最大限に生かしたプレースタイルを確立し成功に導くことが重要だ。データによると私たちはサイドアウトの成功率を74%から78%に上げる必要があり、特に大型のブロッカーを要しているトップチームと戦うためには必要となるので、システムを取り入れて来年実現したい」と話しました。最後に、「若いアスリートの発掘を拡張していく。2028年のあとには、2032年、2038年とオリンピックが控えている。それを念頭に置いて、若い次世代のアスリートを発掘し、育成をしていくことが必要だ」とビーチバレーボール日本代表が将来的にオリンピックで成功を収めるために必要なことを語りました。