男子上位シードが敗れ混戦黒川(魁)/福嶋組が第１シードを下し準決勝へマイナビジャパンツアー第6戦松山大会 1日目

マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2022（以下マイナビジャパンツアー）の第6戦松山大会が10月1日（土）に風早長浜海岸（愛媛県松山市）で開幕。青空の下、初日は1回戦男女各4試合が行われた。

今大会は男女各8チームによるトーナメントで優勝を争う。男子は黒川魁/福嶋晃介（ともにNTTコムウェア）組、白鳥勝浩（カブト）/永井雄太（松戸レガロ）組、Zachery Schubert/Thomas Hodges（ともにオーストラリア）組、関寛之/詫間悠（ともにMAGS）組、女子は長谷川暁子（NTTコムウェア）/坂口由里香（フリー）組、村上めぐみ/藤井桜子（ともに立飛ホールディングス）組、伊藤桜（産業能率大）/沢目繭（ミライラボバイオサイエンス）組、橋本涼加（トヨタ自動車）/村上礼華（ダイキアクシス）組が勝利し、準決勝への進出を決めた。

注目の一戦となったのは、黒川(魁)/福嶋組対石島雄介（トヨタ自動車株）/黒川寛輝ディラン（しながわシティビーチバレーボールクラブ）組の試合。黒川/福嶋組が第1セット24-24の場面で、黒川(魁)のスパイクと福嶋のブロックが決まり先取すると、第2セットは落としたものの、第3セットを15-12で奪って勝利。都城大会霧島酒造オープンで優勝し今大会第１シードの石島/黒川(寛)組を下した。接戦を制したものの、黒川(魁)が「内容はあまりよくなかったので満足していないが、勝ちきったというのが一番の収穫」と話せば、福嶋も「自分たちにミスが出て流れをつかめない状態だったが、我慢できたことはよかった」と発言。反省点はありつつも、手にした勝利を喜んだ様子だった。

ミスはあったが、粘り強く戦った黒川(魁)/福嶋組

また今大会第2シードで都城大会霧島酒造オープン準優勝の庄司憲右（ハウスコム）/池田隼平（カブト）組は関/詫間組に敗れ、第3シードの長谷川徳海/倉坂正人（ともにフリー）組はワイルドカードにより今季初めて海外から参戦のSchubert/Hodges組に敗れた。上位シード陣が大会初日に姿を消すという波乱の展開となった。

Schubert/Hodges組はともに200cm近い身長（写真はSchubert）

女子は藤井桜子/村上めぐみ組対柴麻美（帝国データバンク）/西堀健実（トヨタ自動車）のカードが接戦になった。1-1で迎えた最終セット、村上のコースぎりぎりに決まるショットや、藤井の強烈なスパイクなどで都城大会霧島酒造オープン準優勝の柴/西堀組を突き放して勝利を決めた。愛媛県は、藤井が高校時代にマドンナカップで優勝、村上はビーチバレーが初めて正式競技になった愛媛国体で優勝と、ともに縁のある場所。藤井が「明日も自分たちのバレーをして気持ちよく帰りたい」と、準決勝、決勝に向けて目標を語った。

愛媛に縁があると語った藤井

急増ペアながら都城大会霧島酒造オープン3位の松本恋/松本穏（ともにフリー）組を下したのは、伊藤桜（産業能率大）/沢目繭（ミライラボバイオサイエンス）組。沢目が普段ペアを組む坂本実優（キュービック・スポット）が怪我のため欠場し、伊藤に白羽の矢が立ったとのこと。沢目は「難しく考えてもうまくいかないので、大学生の勢いを借りてノリで行った」と語り、伊藤も「自分よりも声を出してもらって、沢目さんに引っ張ってもらいました。『楽しんで伸び伸びやっていいよ』と言われたので、思い切りよく、迷いなくプレーできました」と勝因を振り返った。

笑顔が多く見られた伊藤/沢目組

3年ぶりの有観客開催となった会場には、地元のご当地プロレス団体、「愛媛プロレス」の代表キューティエリー・ザ・エヒメ、石鎚山太郎（いしづち・さんたろう）選手、鶴姫花（つる・ひめか）選手らが駆けつけた。タイムアウト中、試合間にパフォーマンスを披露して観客を盛り上げた。バレーボールの大会に出場経験がある石鎚山太郎選手は、「高くジャンプしてまるで空中で止まっているよう。こんな暑い中でプレーできる体力があるなら、プロレスラーになって欲しい」と、30℃を超えるコートでプレーする選手たちに驚いた様子。

会場を盛り上げた石鎚山太郎選手

また、選手会主催のビーチバレー体験会も行われ、選手会長の村上めぐみはじめ、村上礼華、二宮大和ら選手8名が講師役として大会ボランティアスタッフや一般の参加者に、クリニックを実施。参加者はレシーブやサーブ、スパイクなどのプレーをトップ選手たちに教えてもらいながらビーチバレーを楽しんだ。ゲーム形式で選手と対戦した中学生は「スパイクをどのコースに打ってくるのかまったく分からなかった」と、ネットを挟んでトップ選手のプレーを体験した。