ブラジルに敗れ、本大会を4位で終える 2025女子世界選手権大会

「2025女子世界選手権大会」が8月22日(金)から、バンコク他(タイ)で行われています。
FIVB世界ランキング5位(試合開始前時点)のバレーボール女子日本代表チームは、9月7日(日)、同2位のブラジルと対戦し、セットカウント2-3(12-25、17-25、25-19、29-27、16-18)でフルセットの末敗れ、本大会を4位で終えました。
第1セット序盤、ブラジルのエースがスパイクとサーブで得点し、ブラジルが主導権を握ります。日本は佐藤淑乃選手のスパイクが連続でブロックに阻まれ、石川真佑選手も連続でミスを出し、4-9と大きくリードされます。中盤、ブラジルはスパイクとサーブで攻めて得点重ねていく一方、日本はサーブやスパイクのミスを連発し6-16とさらにリードを広げられてしまいます。終盤、関菜々巳選手に替えて中川つかさ選手を、佐藤選手に替えて秋本美空選手を起用しますが、流れを引き戻すことができず、このセットを12-25で落とします。
第2セット、日本は序盤から島村春世選手のブロード攻撃や和田由紀子選手と佐藤選手のスパイクで6-8として中盤に入っていきます。しかし、日本はここからブラジルのエースの攻撃を止めることができず、6-12とリードを広げられます。島村選手のブロード攻撃や佐藤選手のバックスアタックで応戦するも、日本にエラーが多く、11-17と点差を縮められないまま終盤を迎えます。終盤、日本はセッターを関選手から中川選手に替えて、攻撃の展開が徐々に良くなっていきますが、点差は縮まらず、このセットを17-25で落とします。
第3セット、日本は中川選手と山田二千華選手をスタートから起用して臨みます。日本は福留慧美選手の好ディグからのブレイクや、調子を取り戻した佐藤選手のスパイクで序盤から9-2とリードを奪います。中盤も佐藤選手や和田選手のスパイクで得点を重ね、16-12とリードを保ちます。終盤に入り、ブラジルはライトからのスパイクで応戦しますが、日本は波に乗った佐藤選手が22-19からスパイクとサーブで3連続得点し、このセットを25-19で取り返します。
第4セットは立ち上がりから和田選手と佐藤選手にスパイクミスが出て0-5とブラジルにリードを許します。さらにブラジルはスパイクやクイックスで得点し、3-8とブラジルリードで中盤に入っていきます。中盤、日本は石川選手と佐藤選手のスパイクで得点し、徐々に点差を詰めていき、さらに、この試合にディグリベロで起用されていた福留選手と、ミドルブロッカー・山田選手がサーブから好ディグを連発してブレイクに貢献し、16-14と逆転に成功します。終盤、互いのアウトサイドヒッター陣が打ち合う展開に。24-22と日本がセットポイントを迎えますが、ブラジルに追い付かれてデュースとになります。ここで佐藤選手が高い集中力を見せ、デュース以降のすべての得点を佐藤選手が奪い、日本が29-27でこのセットを取り切ります。
第5セット、日本は佐藤選手と石川選手のスパイクで得点し、ブラジルもエースのスパイクを中心に得点を重ね、7-8と緊迫した展開となります。日本は山田選手のブロックで10-9とわずかに優位に立ち、その流れを手放さず、佐藤選手と石川選手のスパイクで試合を進めていきます。ブラジルも追随しますが、13-13から佐藤選手がスパイクを決めて14-13とし、日本が先にマッチポイントを握ります。しかし、ブラジルに逆転を許し、最後はブラジルのブロックで16-18となり、日本はこのセットを落とし、セットカウント2-3で敗れ、15年ぶりの銅メダル獲得を逃しました。
なお、個人賞として、石川真佑選手がベストアウトサイドヒッターに選ばれました。
女子日本代表に最後まで会場やテレビ画面の向こうから多くのご声援をいただきありがとうございました。今シーズンは本大会で終了しますが、来シーズンも応援をお願いいたします。
<コメント>
石川真佑選手
「フルセットで相手にリードされる場面もあったし、自分たちが勝てたセットもあったし、最後も取り切れるセットだったが、そこは相手が上回っていたと思うし、試合を重ねるごとに皆が成長して試合ができたのは自分たちにいい経験になったと思う。最後の試合なので、試合を楽しむことだったり、悔いなくやりきることを意識して試合に入った。1、2セット目はスタートが悪かったが、最後はしっかり取り切ってフルセットまで持ち込むことができたが、取りきる力が必要だと思った。苦しい展開が多かったが、全員が攻める気持ちを持って絶対勝つという気持ちを持ってプレーできた。全員が勝ちにいくという気持ちが表れていたと思う。予選から苦しい試合が多かったが、自分たちの力で勝ち切って、ここまでこられたということは自信を持っていきたい。ベスト4から先の難しい試合をどう勝っていくのか、それぞれが感じたことがたくさんあったので、この世界選手権は自分たちが成長できるきっかけを作ってくれた大会だったと思う。一人ひとりがチームのために何かしようと行動している選手が多くいたし、雰囲気よく練習も試合もできていることがチームの良さで、結果につなげられるようにしていきたいし、今まで一緒にやってきたメンバーもいる中で、チームで戦うことが大事だと思った。どんな場面でもチームのためを思う選手が多いと強いと感じるので、役割を徹底した選手がいたのは、チームとしても選手としても助かった」
中川つかさ選手
「今日で代表の今シーズンの試合が最後という気持ちと、今シーズンが始まってからの私の役割は後から入ってコートの中をより良くすることやゲームチェンジャーになることだったので、最後にその出番が来たと思い、自分にできることをすべて出し切ろうと思ってコートに立った。(会場の雰囲気は)日本開催ではない中で、タイの方や日本の方が会場に来てくださって、日本コールも聞こえたし、そのような雰囲気の中で世界選手権を味わうことができたのがすごくよかった。結果は4位ということで、VNLと変わらない位置で負けてしまった。メダルは本当に簡単ではなく、傍から見たら1年目のチームで去年からメンバーが変わったと思われていると思うが、自分たちが狙っていたのはメダルなので、そこはすごく悔しいし、次につながる大会にもなったというのは今負けたから言えることかもしれないが、やはり勝ちたかった。(今のチームは)一人ひとりが自分の役割ややるべきこと、お互いのポジションで助け合いながらやっていることはすごくチームの雰囲気がいいと思うし、団体スポーツだからこそ助け合って切磋琢磨しながら高いところを求めてできるので、すごくいいチームだと思う。また次に向けて個人のレベルアップをして、またこの場所に戻って来られるように頑張りたい」
佐藤淑乃選手
「最後の1点を取り切る力で少し劣ってしまったと思う。今シーズンやってきたことをしっかり出し切れた。まだまだ足りない部分が多いが、このチームで最後の1戦を楽しくできたのはよかった。昨日悔しい思いをして、その気持ちをぶつけようと(試合に)向かったし、メダルが欲しかったので、その気持ちだけで頑張った。自分にとってすごく苦しい期間が多い大会だったが、このメンバーが大好きだったので、このメンバーでバレーボールをできてすごくうれしい。(チームは)選手もスタッフもすごく明るいし、全員が皆のことを思って行動できる人たちの集まりと思う。そういうメンバーの集まりでできたものが今回の結果だったと思う。これからもさらに成長した姿を見せられるように頑張りたい」
写真提供:VolleyballWorld