ビーチバレーボール

ジャパンツアーエスコンフィールドHOKKAIDO大会 女子/松本姉妹が4年ぶり2度目の優勝 男子/水町が誕生日に初優勝

ジャパンツアーエスコンフィールドHOKKAIDO大会 女子/松本姉妹が4年ぶり2度目の優勝 男子/水町が誕生日に初優勝

ジャパンビーチバレーボールツアー初の北海道開催となった第7戦グランドスラム エスコンフィールドHOKKAIDO大会。プロ野球の北海道日本ハムファイターズが本拠地とするエスコンフィールドHOKKAIDOを望むFビレッジに特設コートが設置されました。

女子で決勝まで駒を進めてきたのは、石井美樹(株式会社ラストウェルネス)/菊地真結(トーヨーメタル株式会社)組と松本恋/松本穏(ともにフリー)組です。このうち石井/菊地組は、ベテラン石井選手と伸び盛りの菊地選手のコンビがうまく機能したこともあり、初めてペアを組んだ第6戦青森大会でいきなり優勝(菊池選手にとってはツアー初優勝)。今回は連覇を狙っていました。
一方の松本姉妹ペアは、11月に行われる世界選手権出場を目指しているため今季は海外ツアーを主戦場としており、これまで中国・啓東市大会、韓国・釜山大会の2大会で優勝。国内大会では第36回ジャパンレディースを制するなど、姉妹ならではの息の合ったプレーの精度が最近さらに高まってきています。

第1セット、流れを掴んだのは石井/菊地組です。菊地選手がハードヒット、ドロップ、ツー、サービスエースと多岐に渡って躍動感あるプレーで連続得点を奪うと、それに呼応するかのように石井選手も的確にオープンスペースを突くプレーを見せ、中盤で9‐5とリード。その後もナイスディグでボールをつないだ石井/菊地組が主導権を握り、21‐14でオープニングセットを奪いました。

第2セット、今度は松本姉妹が反撃開始。妹・穏選手が相手のアタックコースを読み得点に結びつけると、姉・恋選手も得意のハードヒットを叩き込み10‐5と流れを引き寄せました。
対する石井/菊地組は意表を突くツーアタックで松本姉妹のタイミングを崩そうと試みますが、松本姉妹はそれにも対応。逆に穏選手が体勢を崩しながらオープンスペースにボールをコントロールする技ありショットを見せるなどし、このセットを21‐12で奪い返しました。

勝負の最終セット、優位に試合を進めたのは松本姉妹ペアです。第2セット同様相手のアタックコースを読み、ブロッカーの恋選手、レシーバーの穏選手のディフェンスが機能したことで4‐1とリード。その後、菊地選手のハードヒットやラインへの的確なショットなどで9‐8と詰め寄られましたが、姉妹ならではのコンビプレー、穏選手のサービスエースなどで再び引き離し、15‐10で勝利。2021年第3戦沖縄大会以来となるジャパンツアー2勝目を手にしました。

<コメント>
松本恋選手
「1セット目は風の影響もあり崩れてしまいました。いつもであれば気持ちが切れてしまうところでしたが、我慢できたことが2セット目を取って、3セット目もいい展開に持っていけた要因だと思います。もともと体力に自信はありましたが、しっかりジムでトレーニングをするようになったことで出力の上げ方などの成果も出たとも思います」

松本穏選手
「2018年にビーチを始めてから姉妹でずっと組み続けてきたのが強みだと思います。でも負けるときは、姉妹ならではのもめごとが原因になるパターンが多く、それが甘さでもあったのですが、最近は「感情より思考が先」ということをテーマに、ペアに尽くすことだけを考えたことが逆転勝ちにつながったと思います。また、ケガや体調不良がなく、気持ちも体もいい状態でプレーできていることもいい結果につながっているのだと思います」

石井美樹選手
「1か月ぐらいしか一緒に練習していないのですが、チームとして向き合い、いろいろと話し合ってきた結果が出せたと思っています。技術面ではパスとトスの精度が高かったことが強み。MBTIで調べると、私が「擁護者」で真結ちゃんが「指揮官」。相性がめちゃめちゃいいらしいです」

菊地真結選手
「1試合1試合、目の前の1点に集中することをテーマにしていたので、流れが悪くても次の1点をどう取るかを意識できたのがよかったと思います。私ばかり狙われ続けると精神的にダウンしてしまうことが多いのですが、青森大会とエスコンフィールドHOKKAIDO大会では絶対的に心強い存在が隣にいたので、私が折れそうになっても立ち直らせてもらえました。技術的には、美樹さんのトスがいいので、試合の中でボールへの入り方やコースの打ち分けなど、いろんなアタックを試せる回数が多くなっていることも自信になりました」

 

女子決勝に続いて行われた男子決勝のカードは、水町泰杜(トヨタ自動車株式会社)/Thomas Hartles(ニュージーランド)組×Martin Kaufer(ドイツ)/庄司憲右(ハウスコム株式会社)になりました。

第1セット、水町選手が角度のある強烈スパイクを決めれば、Kaufer選手がモンスターブロックを決め返すなどし、一進一退の状況に。15‐15まではどちらに流れが行くのか分かりませんでしたが、ここからギアを上げたのは水町/Hartles組。水町選手のディグからのハードヒット、Hartles選手の相手のツーアタックを読んだブロックなどで流れを呼び込み、21‐17でこのセットを先取しました。

続く第2セット、第1セット終盤で勢いに乗った水町/Hartles組が連続得点で7‐2とリードすると、その後も水町選手のナイスディグからの角度のあるハードヒットやサービスエースなどで10‐3と差を広げていきます。
そのまま勝利まで突き進みそうでしたが、それに待ったをかけたのが庄司選手のサーブ。スピードとコントロールを兼ね備えたジャンプサーブでレシーブを崩し連続ブレイクに成功。7点差を2点差まで詰めました。観客も固唾をのむ手に汗握る接戦になりましたが、ここでも第1セット同様に集中力を上げたのは水町/Hartles組。バランスを崩しながらもディープのオープンスペースにショットを決めたHartles選手、本来レシーバーながら相手のハードヒットをブロックでシャットした水町選手と、それぞれがスーパープレーを見せ21‐13で勝利。
水町/Hartles組はこれがジャパンツアー初優勝で、特にこの決勝戦の日(9/7)が誕生日だった水町選手にとっては自身への最高の誕生日プレゼントとなりました。

<コメント>
水町泰杜選手
「誕生日という節目の日に優勝できてうれしいです。技術的な部分はドイツ(FISUワールドユニバーシティゲームズ)ぐらいからよくなっているという実感があります。戦術的なことでは、コーチに教えてもらっていることをいろいろと試せるようになっています。同じ相手に負け続けてきて、何かを変えなければいけないので、逆に言えば吹っ切れていろいろなことに挑戦することができました。それがうまくいって初優勝に結びつきました。今シーズンは第8戦の名古屋大会が最後のエントリーになりますが、トムさんと1試合でも多く戦えるように頑張りたいです」

Thomas Hartles選手
「エスコンフィールドHOKKAIDOを望む素晴らしい環境でプレーできて、しかも優勝することができてとてもうれしいです。ペアの泰杜はインドアでもプレーしているのでビーチの時間は限られていると思いますが、すべての部分で成長していると思います」

 

また今大会にあわせ9月5日(金)に石井/菊地組と、北海道をメインに活動している古田史郎/辰巳遼(ともにDOTs)組が北広島市役所を訪れ、上野正三市長へ表敬訪問を行いました。

上野市長からビーチバレーボールの難しさ、砂やコートについてなど多くの質問をいただき、表敬訪問は終始和やかに行われました。