ビーチバレーボール

次の目標が色濃く明確になった 大学王者たちの挑戦

次の目標が色濃く明確になった 大学王者たちの挑戦

8月30日(土)、31日(日)、青森県青森市あおもり駅前ビーチで開催された「ジャパンツアー 第6戦青森大会」では、「アクティオ杯 ビーチバレージャパンカレッジ2025
JVA第37回全日本ビーチバレーボール大学選手権大会」(以下・アクティオ杯 ビーチバレージャパンカレッジ)の優勝者が「アクティオワイルドカード」チームとして出場しました。

この出場権利は、「アクティオ杯 ビーチバレージャパンカレッジ」の冠協賛である株式会社アクティオ様より、大学生たちに「いち早くトップレベルを体感し強化を図ってほしい」という想いから、ご支援をいただき導入されたものです。

今年は、産業能率大学の笹渡美海(3年)/宇都木乃愛(1年)組、日本体育大学の美保幸輝(3年)/髙橋大地(2年)組が、日本最高峰のジャパンツアーに挑みました。

▲1回戦に挑む笹渡/宇都木組

 

産業能率大の笹渡/宇都木組は、本村嘉菜/本村成優(ともにアイビークリーン株式会社)組と対戦しました。試合は序盤から「前回(ジャパンツアー第5戦)、パートナーは違うけれど、負けて悔しかったのでどうしても勝ちたかった」と話す宇都木選手のサーブが炸裂。

そこから強風の中でも、序盤から堅実なプレーで得点を重ねていった笹渡/宇都木組が2-0(23-21,21-16)と勝利を収めました。笹渡選手は「1点取るたびに2人で終始楽しくできました。だから劣勢の場面でも持ちこたえられたと思う」と勝因を語りました。

最終日に行われた準決勝では、石井美樹(株式会社ラストウェルネス)/菊地真結(トーヨーメタル株式会社)組と対戦。前日のようにサーブで攻めていきたい笹渡/宇都木組でしたが、「サーブミスが多く得点を詰められなかった」と宇都木選手。

なかなか突破口が開けないまま、第1セットを13-21と奪われました。

▲強打を放つ笹渡選手

 

第2セットも、笹渡/宇都木組が「簡単に点をとってくる」とリスペクトする石井選手が隙あらば、コートの空いているところを狙ってボールを落としてきます。しかし、「自分たちは失うものがないから思い切りやろうと思った」と笹渡選手。宇都木選手の正確なトスを力強く打ち切り、意地を見せる場面もありましたが、第2セットも10-21と取られ、準決勝敗退となりました。

試合直後は悔しさを隠し切れない笹渡/宇都木組でしたが、「美樹さんと戦える機会はなかなかないので対戦できてうれしかった。そしてこの大会は、大学生以上のレベルを目指すための起点になった」と笹渡選手は収穫を口にしました。

宇都木選手も「結果的には力の差はあったと思うけれど、勝つのは無理ではない。もっとチームワークを磨いてディフェンス面での対応力や分析力を身につけていきたい」と明確な目標を語ってくれました。

▲3位に輝いた笹渡/宇都木組

 

男子は1回戦において日本体育大の美保幸輝(3年)/髙橋大地(2年)組が石島雄介(ゴッツfamilyクラブ)/立谷純太郎(フリー)組と対戦しました。5月のジャパンツアー第1戦 平塚大会 荒井商事杯では石島雄介/西村晃一(WINDS)組に勝利した美保/髙橋組でしたが、序盤から立谷選手のサーブ力、石島選手の高いブロックが2人の前に立ちはだかりました。

「平塚大会や学生の大会では経験したことのないサーブが、コートの隅に向かってきた。イメージしていたよりも強く、自分たちがやりたい攻撃ができなかった」と美保選手。最大の武器である速いテンポの攻撃が息を潜めます。

▲1回戦に挑む美保/髙橋組

 

序盤から得点を引き離され、11-21と第1セットを奪われました。しかし、第2セットは美保/髙橋組のモットーである粘り強さを発揮。石島/立谷組の鋭い攻撃を拾い上げ、力強い攻撃で得点をとりにいきます。中盤までは一進一退の攻防戦を繰り広げたものの、終盤の連続失点が響いてしまい、17-21とセットカウント0-2で敗退となりました。

「アクティオ杯 ビーチバレージャパンカレッジ」で優勝の瞬間、うれし涙を流した美保選手でしたが、青森の地では試合後、悔し涙をにじませていました。

▲タイムアウト中の髙橋選手と美保選手

 

「最後、連続失点してしまい、悔しい負け方でした。自分たちは大学日本一を獲るために1年間頑張ってきてその目標を達成できたけど、プロを倒すことは、簡単ではない。かなりの差を感じました。でもそれは、青森に来ていなかったらわからなかったこと。アクティオワイルドカードのおかげで、次に向けて明確な目標ができました」と美保選手は言葉に力を込めました。

髙橋選手も「自分が憧れている髙橋巧さんに、手本にしている選手を聞きました。それを参考に海外選手の映像を見て今大会に挑んだのですが、自分のプレーに落とし込むことができなかった。もっともっと練習してうまい選手のプレーを落とし込んでいきたい」と目を輝かせながら今後の目標を述べました。

 

▲観客の声援に応える美保選手

 

大学チャンピオンがジャパンツアーに挑む機会を付与する「アクティオワイルドカード」は、大学戦士たちの次なる目標を色濃く明確にしました。これからビーチバレーボール界に羽ばたいていく有望選手たちの今後の成長にご期待ください。