ビーチバレーボール

昨季V1男子優勝ウルフドッグス名古屋の勝岡/中野組が登場!マイナビジャパンツアー第7戦名古屋大会1日目

昨季V1男子優勝ウルフドッグス名古屋の勝岡/中野組が登場!マイナビジャパンツアー第7戦名古屋大会1日目

歴史ある名古屋城、そして緑あふれる名城公園のすぐ隣に位置する「名城公園トナリノ(tonarino)」。名古屋駅や名古屋の繁華街・栄から近いこともあり休日になると多くの人が憩いを求め訪れる場所だが、そこに特設ビーチバレーボールコート1面を設置しマイナビジャパンツアー第7戦名古屋大会が行われた。

多くの観客がコートを一望することのできるウッドデッキ「空への階段」に陣取り、選手たちが砂上で繰り広げる熱戦を見守ったが、今回、そのビーチバレーボールコートを敷設したのは名古屋市に本社を構える中部土木株式会社。愛知県豊浦町出身の詫間悠が所属する会社で、選手がよりプレーしやすいようにと昨年からオーストラリアの砂を使用している。


青空のもと、多くの観客に見守られる中で熱戦が繰り広げられた

また普段、会場の音響や動画配信などの電源は発電機が使われているが、この名古屋大会ではトヨタの燃料電池自動車MIRAIと電気自動車bZ4Xの2台が電力を供給。大会中の排出ガスをゼロにするカーボンニュートラルマッチとなっている。


会場内で使用する電源を供給したトヨタの電気自動車bZ4X

朝から青空が広がり時間とともに気温もどんどん上昇した名古屋大会1日目は、男子に注目試合が多かったが、そのうちの一つが、石島雄介(トヨタ自動車株式会社)/髙橋巧(ANAあきんど株式会社)組vs 黒川魁/福嶋晃介(ともにNTTコムウェア株式会社)組の対戦。今季のマイナビジャパンツアーで3勝している石島/髙橋組に対し、今年のビーチバレージャパン王者の黒川/福嶋組がどんな戦いを見せるのか。両チームは第4戦横浜赤レンガ倉庫大会決勝戦でも対戦し、そのときは石島/髙橋組が2-0(21-17、21-15)で勝利している。

試合は、ネット幅をいっぱいに使った攻撃や、福嶋のフェイクセットを黒川が叩き込むなど魅せるプレーで得点を重ねた黒川/福嶋組が序盤で抜け出す。しかし石島/髙橋組も石島のモンスターブロック、髙橋の好ディグからのコースを狙ったスパイクで対抗。ミスの少なさという面でもそつがなかった石島/髙橋組が逆転すると、第1セットを21-19で先取する。第2セットは両チーム好プレーの応酬となり中盤まではほぼ点差がつかなかったが、ここから勝負どころでブロックを決めるなどして抜け出したのは石島/髙橋組。このセットも21-17で取り、勝利を決めた。


手堅いプレーを積み重ねる石島/髙橋組(ネット奥。右が石島)と、魅せるプレーが多い黒川/福嶋組の対戦は見応え十分だった

男子の注目試合2つ目は、白鳥勝浩(株式会社カブト)/永井雄太(松戸レガロ)組と勝岡将斗/中野倭(ともにウルフドッグス名古屋)組の対戦。ビーチ巧者の白鳥/永井組に対し、昨季のV1男子優勝チームのメンバー勝岡/中野組は、第1セット序盤で4点のビハインドを負うも、「この夏からウルフドッグスはビーチバレーにも力を入れていて、元スウェーデン代表コーチに教えてもらったり、世界のトップ選手の映像を見るなどしてきました」(勝岡)と、レシーブからのツーやフェイクセットを効果的に使って連続得点し、第1セットを21-19でものにする。

その後も中野のドロップとディープを使い分けたショット、勝岡の高い打点からのスピードスパイクなど躍動感あふれるプレーを見せた勝岡/中野組だが、砂上の動きや2人でコートを守るという駆け引きでは白鳥/永井組に一日の長があり、逆転負けを喫した。それでも「暑いし外だし2人しかいないので、バレーとはまた違ったスポーツ。でも、めちゃめちゃ楽しい!」(勝岡)、「手応えはありました」(中野)とそれぞれビーチバレーの醍醐味にハマった様子。「来年はワイルドカードをもらえなくても、予選から挑戦します」とコートを後にした。


V1リーグ選手らしい躍動感あるプレーに加え、研究してきたビーチの技も見せた勝岡/中野組(奥が中野)

男子注目の3つ目は、関寛之(MAGS)/詫間悠(中部土木株式会社)組vs上場雄也(松戸レガロ)/西村晃一(WINDS)組の試合。詫間が所属する中部土木株式会社が設置したビーチバレーボールコートでの戦いということもあり、関/詫間組が着用するユニフォームと同じオレンジ色のシャツを着た会社の仲間が多数応援に駆け付つけた。

第1セットはその声援に応えるかのように関/詫間組が21-11で先取。しかしデュースにもつれた第2セット、第3セットは「勝負どころで精度を高めなければならないという課題はハッキリしているのに、練習でそれを補うことができていません」(詫間)と、どちらも上場/西村組に取られて逆転負け。それでも、「ミスをしたときでも『ドンマイ』『次、次』という声をかけてもらったことで落ち込まず、気持ちを切り替えられました」(詫間)と、仲間の応援は確実に後押しになっていた。


会社の仲間の声援を受け最後まで戦い抜いた詫間

女子の注目は、愛知県犬山市出身の松本恋/松本穏組(ともにフリー)。この名古屋大会は2021年に地元ワイルドカードをもらってマイナビジャパンツアー初参戦した思い出の大会で、そのときはいきなりの3位入賞。今季は第3戦渋谷大会でベスト4に入って以降、第4戦横浜赤レンガ倉庫大会、第5戦青森大会、第6戦都城大会と勝利を上げられていなかったので(8月のビーチバレージャパンレディースでは初優勝を飾っている)、地元・愛知県できっかけをつかみたいところだった。

そして1回戦で対戦したのが、柴麻美(株式会社帝国データバンク)/丸山紗季(地元法人マーチオークシー)組。前週の都城大会プール戦でも当たり、そのときは「自分たちが自滅してしまいました」(恋)とストレート負けを喫したが、今回は第1セットを21-12で奪取。「これまでは配信でしか見られなかった多くの方が応援に来てくれました」(恋)というサポートも得て、続く第2セットでも21-20と一度はマッチポイントを握ったが、それを取り切れず結局逆転負け(21-23、12-15)。試合後に「自分の弱さが出ました。ミスが多くなってしまいました」と試合を振り返ったのは妹・穏。姉・恋も「精度が勝敗を分ける。ミスが減ればもっと勝てるようになるはず」と唇をかんでいた。


地元で浮上のきっかけをつかみたい松本姉妹だったが、フルセットでの惜敗となってしまった(右が穏

明日2日目は、朝9時から女子準決勝2試合→男子準決勝2試合→女子決勝戦→男子決勝戦の順で試合が行われる。