ビーチバレーボール

ビーチ開幕戦 第1戦平塚大会 荒井商事杯を制したのは男子・石島/庄司組、女子・坂本/沢目組

ビーチ開幕戦 第1戦平塚大会 荒井商事杯を制したのは男子・石島/庄司組、女子・坂本/沢目組

ジャパンビーチバレーボールツアー第1戦平塚大会 荒井商事杯の3日目。最終日となる本日は、男女の準決勝各2試合、そして男女の決勝戦が行われました。

 

男子で準決勝を勝ち上がり決勝まで駒を進めてきたのは、石島雄介(トヨタ自動車株式会社)/庄司憲右(ハウスコム株式会社)組と、立谷純太郎(フリー)/石川瀬那(国際基督教大学)組です。このうち石島/庄司組がペアを組むのは2017年以来ですが、それぞれが過去のジャパンツアーでコンスタントに上位に入っている実力者。特に石島選手は、インドア、ビーチの両方でオリンピックに出場しているレジェンドで、昨季のジャパンツアーでは6勝をマークするなど抜群の実績を誇ります。

 

一方の立谷/石川組は、立谷選手22歳、石川選手21歳と若いペアで、二人ともジャパンツアーで決勝まで勝ち進んできたのは今回が初めて。なかでも神奈川県出身の石川選手は、高校生のときにこの平塚大会の運営の手伝いをしていたことがあり、思い入れのある大会ということで準決勝に勝利した瞬間、大きく叫んでガッツポーズ。喜びを露わにしていました。

 

そして始まった男子決勝戦、まず主導権を握ったのは石島/庄司組です。198㎝の石島選手の高い打点からのスパイクやツーアタック、庄司選手のサービスエースや機動力を生かしたディグからのアタックなどで連続得点。5‐0とリードしました。対する立谷/石川組は立谷選手の鋭いスパイク、石川選手のディープにしっかりコントロールしたショットなどで10‐12と追撃しますが、ここから再び集中力を上げた石島/庄司組がモンスターブロック、ツーアタックなどで加点し、第1セットを21‐14で先取しました。

第2セット、ここで躍動感あるプレーを見せ勢いに乗ったのは立谷/石川組。石川選手のブロックやツーアタック、立谷選手のオープンスペースを狙ったカットショットなどで11‐8とリードしました。しかし試合巧者の石島/庄司組は慌てず、石島選手のブロックやアタック、庄司選手の安定感のあるレシーブで着実に得点を重ね13‐12と逆転すると、そのまま21‐18で優勝を決めました。

 

優勝した石島/庄司組にペアの強さの自己分析をしてもらうと、「僕がジャンプサーブを得意していて、石島選手はブロックが武器。二人の持ち味は親和性があると思います」と庄司選手。石島選手も「お互いにそのイメージを共有しつつ、それ以上に何ができるのかをアップデートしようとしています。うまくいけばもっといいプレーができると思います」とさらなる可能性を感じている様子でした。

 

一方、敗れた立谷/石川組ですが、「最初はメンタル的な部分で置きにいってしまいリードされましたが、その後はしっかりペアで声をかけあって攻撃できました。また、若さの勢いで思い切って攻撃するだけでなく、ショットも使って相手のイメージを超えるプレーができた部分もありました」(石川選手)、「力の差を痛感するところがありましたが、挽回できたり、2セット目を先行できたことは今後の財産。表彰台に立つのがビーチを始めたときの目標だったので、準優勝できたのはうれしいです。この経験を大事にしたいです」(立谷選手)と手応えもあった模様。今後のジャパンツアーでどんなプレーを見せてくれるのか楽しみです。

男子決勝に続いて行われた女子決勝のカードは、柴麻美(株式会社帝国データバンク)/丸山紗季(地元法人マーチオークシー)組vs坂本実優(株式会社キュービック・スポット)/沢目繭(ミライラボバイオサイエンス株式会社)となりました。このうち柴/丸山組は準決勝でPhoebeBell/CaitlinBettenay(ともにオーストラリア)組を破っての決勝進出。両チームは昨季の都城大会決勝戦でも対戦しており、そのときも柴/丸山組が勝利しています。

 

一方の坂本/沢目組は、準決勝で松本恋/松本穏(ともにフリー)組を破っての決勝進出。両組は昨季2度対戦していますが、1勝1敗の戦績で実力は伯仲。今回も最終セット11‐11まではどちらが勝つか分かりませんでしたが、ここから松本姉妹にミスが続いたのに対し、坂本/沢目組はステディにプレー。15‐12で勝利しました。

 

そして迎えた女子決勝戦、柴/丸山組が「サーブキャッチからのサイドアウト率が低かったのが差になってしまいました」(柴選手)、「相手のディフェンスがいいのでそれに迷ってしまい、決め返されました」(丸山選手)とリズムがつかめなかったのに対し、坂本/沢目組は「どのチームよりも練習しているという自負があります。それを出せるかどうかが心配でしたが、出せました」(坂本選手)、「勝ちたいと思う気持ちが悪い方向に向かうことが多いので、コーチから『普段の練習通りやればいい』と言われ、目の前のことに集中しました」(沢目選手)と流れを引き寄せ、ストレートで勝利しました。

 

お互いにパス、トスの精度が高く、オフェンスではパンチ力のある沢目選手、ショットでコースを丁寧に突いていく坂本選手と、バランスよく得点して優勝した坂本/沢目組。昨年の第1戦立川立飛大会に続き、2年連続での開幕戦優勝となりました。「ペア結成7年目となる今年は、昨年以上に優勝を重ねていきたいです」とジャパンツアーへの意欲満々でした。

惜しくも準優勝となった柴/丸山組は、二人とも神奈川県出身で、特に柴選手は会場・湘南ベルマーレひらつかビーチパークがある平塚市が地元です。また丸山選手は2年前の平塚大会のときに運営の手伝いをしていたということで縁のある大会でした。今回、栄冠を獲得できなかったのは残念ですが、決勝まで4試合を戦い抜いたように、今後もジャパンツアーを盛り上げてくれるはずです。

 

そして今シーズンからオープン大会とグランドスラム大会にクラスを分け大会を行いますが、オープン大会では決勝戦のYouTube配信の解説を準決勝で敗れた選手の中から選出することになりました。今回、男子は白鳥選手、女子は松本穏選手が担当。これまでになかった現役選手の声をお届けする機会となり現場から生の声がファンの皆さまに届くことでビーチバレーボールがより身近に感じられるのではないかと思います。

こうして、男子は石島/庄司組、女子は坂本/沢目組の優勝で幕を閉じた第1戦平塚大会。次戦は都城大会 第25回ビーチバレー霧島酒造オープンです。会場観戦、YouTube観戦どちらの形でもお楽しみください。