ベテランの安定感と若手の活躍が見られたジャパンツアー平塚大会2日目
初日に続き快晴ながら強風となったジャパンビーチバレーボールツアー第1戦平塚大会 荒井商事杯の2日目。第1試合の前に開会式が行われ、公益財団法人日本バレーボール協会の川合俊一会長、平塚市の落合克宏市長、大会冠協賛の荒井商事株式会社の荒井亮三社長などが出席しました。そして本日は男女2回戦(準々決勝)各4試合が行われました。
男子で見逃せない一戦となったのが若手同士の対決、立谷純太郎(フリー/22歳)/石川瀬那(国際基督教大/21歳)組と白石澄空(愛知学院大/20歳)/藤田丈太郎(愛知工業大/20歳)の試合です。第1セットは「風を利用してジャンプサーブでしっかりドライブをかけて攻めることができました」という立谷選手のサービスエースや、「2年前にこの平塚大会でベスト4入りしているので、今回またこの平塚大会でベスト4入りすることに意味があると思っていました」と意気込む石川選手のブロックなどで立谷/石川組が流れをつかみ21‐12と先取しました。
写真左(上)が立谷/石川組 右(下)が白石/藤田組
しかし第2セットになると、今度は白石/藤田組が主導権を奪い、モンスターブロックやオープンスペースを狙ったカットショットなどで連続得点し6‐2とリードします。この状況に対し「第1セットの流れがよかったので、第2セットはボールを置きにいってしまいました。でも逆にリードされたことで攻める姿勢になれました」と立谷/石川組。集中力を高めて逆転に成功すると、結局21‐18でこのセットも奪い勝利。試合後、神奈川県出身の石川選手は「応援やサポートしてもらえたことがすごく力になっています」と地元の声援に後押しされて勝った喜びを語っていました。
このほか、男子で準決勝に駒を進めたのは石島雄介(トヨタ自動車株式会社)/庄司憲右(ハウスコム株式会社)組、倉坂正人(フリー)/白鳥勝浩(株式会社カブト)組、辰巳 遼/古田史郎(ともにDOTs)組です。このうち元ヴォレアス北海道のチームメイトである辰巳/古田組は、オフシーズンにブラジルで合宿を実施。「ブラジルでは、チームワークというよりもそれぞれがレベルアップすることがテーマでした。世界1位のクラブチームで練習ができ、いろいろなことを学びました」(辰巳選手)、「ブラジルはシュラスコがおいしくて、住めると思いました(笑)。トップ選手がどれだけハードワークをしているかを知り、それを一緒にさせてもらって、積み重ねることの大切さを感じました」(古田選手)と、それぞれ収穫があったようです。
女子は、昨年のジャパンツアーで2勝した柴麻美(株式会社帝国データバンク)/丸山紗季(地元法人マーチオークシー)組、昨季は優勝1回、準優勝2回の坂本実優(株式会社キュービック・スポット)/沢目繭(ミライラボバイオサイエンス株式会社)組といった実力と実績を兼ね備えたペアのほか、2人とも長身のPhoebe Bell /Caitlin Bettenay(ともにオーストラリア)組、姉妹ならではのコンビネーションを見せる松本 恋/松本 穏(ともにフリー)組が勝利し、準決勝進出を決めました。
このうち坂本/沢目組は正確なパスやトスが生命線ですが、強風のなか行われた本日の試合でも本領を発揮。相手の酒井春海(株式会社甲斐組)/菊地真結(トーヨーメタル株式会社)組が強い風でボールが流されることに苦戦するなか、「いつも海で練習しているので、これくらいの風であれば問題ないです」と着実にポイントを重ねストレートで勝利。「プレーにそつがない」という言葉は、坂本/沢目組のためにあるのではと思うほどでした。
写真左(上)が坂本/沢目組 右(下)が松本/松本組
そしてコンビネーションという点では、松本恋/松本穏組も独特のものを持っています。インドア並みの高速バレーが持ち味ですが、今季は「常に同じ力が出せるように、オフもなしでハードな練習を積み重ねてきました。特に体作り、フィジカルの強化は頑張っていて、これまでであれば倒れこんだりネットタッチしていたところを押し込めるようになっているとは思います」(松本穏選手)と、精度や力強さがレベルアップしています。昨季は全日本ビーチバレーボール女子選手権大会(ビーチバレージャパンレディース)で優勝している松本姉妹ですが、ジャパンツアーでは準優勝が最高成績だったことから、「昨年は昨年と気持ちは切り替えています。今年は一度も負けないように練習の成果を出していきたいです」(松本恋選手)と燃えています。
明日は9時から、男女の準決勝が行われ、続いて男女の決勝が行われます。