ビーチバレーボール代表

ビーチバレーボールU21日本代表世界選手権へ、世界の壁と成長の手応え

ビーチバレーボールU21日本代表世界選手権へ、世界の壁と成長の手応え

2025年10月15日~19日にかけて、メキシコ・プエブラにて開催された「2025ビーチバレーボールU21世界選手権大会」に、森 愛唯(トヨタ自動車株式会社)/宇都木 乃愛(産業能率大学)組、森川 仁湖(鹿屋体育大学)/矢田 和香(ヴィクトリーナ姫路)組の2チームが日本代表として出場しました。

森/宇都木組は、6月にタイで行われたアジア選手権で4位となり出場権を獲得。ジャパンツアーなど国内戦への参戦や合宿を重ね、世界選手権に向け強化を図ってきました。また、開催地プエブラは標高約2,000mの高地環境であるため、事前に高地特性への理解や適応にも取り組みました。

一方の森川/矢田組は、アジア選手権で森/宇都木組に敗れ一度は出場権を逃したものの、8月に繰り上がりで出場枠が確定し、初の世界選手権の出場を果たしました。

初戦は森川/矢田組が予選のドイツ戦に臨みましたが、ストレートで敗戦し、37位タイとなりました。

森/宇都木組は本戦からの出場となり、プール戦でペルー、プエルトリコに2連勝、プール2位で決勝トーナメントへ。続くラウンド24ではスペインと対戦し、高さと巧みなプレーを前にセットカウント0-2で敗退。17位タイで大会を終えました。

両チームは高校生時代からアンダーエイジカテゴリーの継続強化選手に選ばれ、互いに切磋琢磨し、世代を牽引してきました。この世界選手権がアンダーエイジカテゴリーの取り組みの集大成となり、国際舞台での経験を糧に、それぞれ次のステージへ進みます。今後とも若い選手たちへの温かいご支援・ご声援のほどよろしくお願いいたします。

©️Volleyball World

■ 森愛唯選手コメント

2度目の世界選手権では、昨年のような勢いを出すことができず、とても悔しい結果となりました。プレー面では昨年と比べて成長できた部分もありましたが、まだまだ海外に通用する技術が足りないと強く感じました。また、今大会を通じて、技術だけでなく精神面での強さも必要だと気づかされました。勝負所での攻め方や、追い込まれた場面でどれだけ自分のプレーに自信を持って戦えるか。まだまだ大きく踏み出せない場面が多くありました。海外の選手と渡り合えるよう、これからもっとたくさんの経験を積み、刺激を受けながら成長していきたいと思います。

 

■ 宇都木乃愛選手コメント
今大会は悔しい結果で終わってしまいました。U19に続きU21カテゴリーでも世界の「高さ」と「技術」に圧倒されました。私は身長が低い分、よりテクニックを磨き、ラリーを勝ち取れる選手になっていきたいです。
アンダーエイジカテゴリーの強化活動では、多くのことを吸収することができました。このような素晴らしい環境で練習をさせていただけたことに心から感謝しています。これからもさらに成長できるよう頑張ります。応援ありがとうございました。

 

■ 森川仁湖選手コメント
まずは、世界選手権という素晴らしい舞台でプレーできたこと、そして多くの方々支えのもと無事に大会を終えられたことに、心から感謝しています。
結果は悔しいものでしたが、それ以上に大きな学びと刺激のある大会でした。アジア選手権とはまた違ったレベルのチームと試合・練習を通して対戦し、180cmを超える選手が当たり前にいる環境の中で、高さやパワーだけでなく、一人ひとりのプレー精度や巧さも体感しました。私の身長で世界と戦うには、パスやトスの精度、プレーの再現性といった部分で負けてはいけないと改めて感じました。その中で「通用した部分」と「足りない部分」がより明確になり、もっと成長したい、またこのレベルで戦いたいという思いが一層強くなりました。これからはインドア競技に戻りますが、ここでの経験を糧に、一つひとつのプレーの質を高め、どんな環境でも安定して戦える選手を目指して努力していきます。

 

■ 矢田和香選手コメント
私自身、この世界選手権が初めての国際大会であり、アンダーエイジカテゴリー最後の大会でした。世界レベルを肌で感じ、素晴らしい舞台で戦うことができた経験は、私にとって大きな刺激であり、最高の学びとなりました。結果としては悔しさもありますが、世界の選手たちと対戦する中で、自分の成長を実感できる瞬間もあり、とても充実した大会でした。目標にしてきた「世界の舞台」に立ち、そこでプレーできたことを誇りに思います。この経験を糧に、これからも自分らしく成長していけるよう努力を続けます。そして、アンダーエイジ期間を通して支えてくださったスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。

 

■ 相楽幸子監督コメント
昨年のU19から引き続き、U21アジア選手権で世界選手権の出場権を勝ち取り、森/宇都木組は本戦スタートとなりました。本来なら1か国1チームのみの出場でしたが、繰り上がりにより予選から森川/矢田組も出場することができました。
森川/矢田組は予選のドイツ戦でセットカウント0-2で敗退し本戦には進めませんでしたが、練習時間が限られた中でも、アジア選手権の時より矢田選手が高さを活かしたスパイク・ブロックで成長を見せ、森川選手もユニバーシティーゲームズでの経験を生かしたプレーが見られました。
森/宇都木組は本戦のプール戦において、初日にペルー、プエルトリコに2勝し好スタートを切りました。翌日のオーストリア戦では惜しくも敗れ、プール2位で決勝トーナメントに進出。スペインに0-2で敗退し、結果は17位タイとなりました。

今回の大会は、「高さと技術のある他国に対し、日本がどこまで戦えるか」というチャレンジでもありました。U19世界選手権での経験に加え、開催地の高地環境に向けてのフィジカルトレーニングも取り入れ、一定の効果は見られました。一方で、他国のスキルや身長差への対応という課題も改めて実感しました。アンダーエイジカテゴリーの取り組みが本格的に始まった昨年から、トレーナーや栄養士によるコンディション管理などサポート体制も始動し、戦える土台が整いつつあります。日本の持ち味をさらに磨き、技術面の底上げを継続すれば、上位進出も十分狙えると感じています。
選手たちは大会を通して確かな成長を見せてくれました。選手とともに過ごしたこの2年間は大変貴重な時間であり、成長の過程を間近で見ることができたことを本当に嬉しく思います。この経験を活かし、今後のさらなる飛躍を楽しみにしています。
最後に、今大会に関わってくださった皆様、そしてチーム関係者の皆様に心より感謝申し上げます。今後は来年のU19アジア選手権大会に向けて、引き続き取り組んで参ります。今後ともご声援のほどよろしくお願いいたします。

 

 

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